厚労省の国立社会保障・人口問題研究所は410日に「将来推計人口」を公表しました。人口が減少しつつあるという事はほとんどの人が認識しているとは思いますが、その中身をしっかり考えると将来的に恐ろしいことになっています。

過去15年間で34歳以下の人口は約22%減少しましたが、一方、60歳以上の人口は43%も増加しました。日本で失業率が低下していたのは、景気が良いということより、若年層を中心に労働力人口が減っていたというのが現実です。

これまではあくまで高齢化にスポットが当てられてきましたが、経済活動の担い手であり、納税の中心である生産年齢人口(15歳~64歳)の減少が著しく、今回の推計では今後50年間で何と40%も減ってしまうことが予想されています。

人口推計は「最もハズレが少ない統計」ともいわれており、推計通りに人口が推移する可能性は高いと考えられます。政府としては時代に適した税制改革、年金の制度設計、企業としては人材採用・育成改革を行っていく必要があります。それが政府や企業が、従来と同じやり方を続けていたら間違いなく将来のどこかの時点で破綻すると思います。

若年層労働人口が2割減少しただけでも、ファストフード店のワンオペ問題、24時間営業からの撤退などの影響がもたらされたわけですが、今後は同じ問題が中核労働者層にも及んできます。一般的なホワイトカラーの事務職においても、深刻な人出不足に陥る可能性が高いと予想されています。

人口減少、労働力不足の本格化が、日本経済に及ぼす影響についてかなり具体的な施策が必要です。近い将来、あらゆる企業(特に中小企業、地方企業)において人手不足が深刻化すると予想されていますが、もし生産性の向上等によって人手不足を補えない場合、現実として生産を縮小、所得の減少、最悪の場合整理する企業が出てくる可能性は十分に考えられます。いわゆる人出不足を起点にした負のスパイラルに陥る可能性があります。

日本社会は外国人に対して基本的にネガティブです。つまり日本企業は人手不足による供給制限、成長鈍化が発生しやすい国といってよいと思います。2020年を前に、日本企業は「仕方ないから外国人でもいいや」という発想から、有能な外国人採用のノウハウ、また戦力化、定着化させる為の研修・育成法の構築を持っているか、持っていないかが企業が生き残れるか、そうではないかを分けると思います。